”つくり続ける”

文化芸術

エリア別能美

コラージュアーティスト

今田いまだ 知佐子ちさこ

出身:江田島市沖美町
活動拠点:江田島市
趣味:ものづくり/読書/映画/運動
好きな言葉:viva la vida
好きな食べ物:カレー
江田島のここが好き:時間の流れ方
今、気になる人:吉岡 孝浩さん

 

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  • コラージュアーティスト
  • コミュニティスペース「フウド」スタッフ
  • さつまいもスイーツ店スタッフ

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  • 経験したことのない世界に触れてみたい

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  • イベントなどでのライブパフォーマンス
  • フライヤー、ロゴなどのデザイン
  • オリジナルアクセサリーづくり

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  • 創作の場を設けてくれる人

 

後藤記者の取材後記
(取材日:2019年1月30日)

 

コラージュアーティスト

『コラージュアート』。普段聞きなれない言葉だ。既存のイラストや写真などの素材をコラージュ(切り貼り)して一つの作品をつくるアートのジャンル。今田さんは2016年からコラージュアーティストとして活動している。江田島を拠点に県内外でのライブパフォーマンスや展示を行うほか、イベント出店、イラスト、アクセサリー、フライヤーやロゴデザインの作成、最近では結婚パーティの演出・装飾なども手掛けている。
一見、ほんわかした雰囲気の今田さん。しかし、その作風は独特の世界観を持っていてインパクトもすさまじい。正直、初見では「えっ!?」と一瞬抵抗を感じるのだが、不思議と徐々に引き込まれていく。
また、今田さんの制作スタイルのひとつに、即興で作品を制作するという技がある。イベントのコンセプトに合わせて、大きなキャンパスにコラージュとペイントを施す。作品そのものだけでなく、パフォーマンスもダイナミックだ。
そんな今田さんの作品について、意外な出来事を見たことがある。コラージュ素材として骨や女性の裸といったイラストが使われている作品をあるイベントで展示していた際、会場に訪れた子どもたちが興味深そうに眺めていた。純粋な子どもにとっても何か引き寄せられるパワーが今田さんの作品にはあるのだろう。

 

コラージュアート(写真提供:今田知佐子)
ファッションブランド『RBTXCO』とのコラボレーションによるデザインTシャツ
コラージュアートのピアス(写真提供:今田知佐子)
イベントで即興制作した大型アート

 

出会いが新たな世界を開く

沖美町の三高に生まれ育ち、小さい頃から毎日絵本を読んでいたという今田さは、絵を描き始めたきっかけが絵本だという。いつも読んでいる絵本にはきれいな絵が描かれていたが、最初は人が描いたものとは思っていなかった。ある日、保育園の先生が砂にお姫様の絵を描いてくれたのを見て、「お姫様って、人が描いてるんだ!」と気づいた今田さんは、その日から絵を描き始めることとなった。
小学校から高校まではバレーボール漬けの毎日だった。厳しい指導だったが、体を鍛えることは好きだったし「課題は乗り越えていくもの」だと考えていたため続けられた。ただ、そんな日々でも絵は描き続けていた。大学進学の際、高校の先生から絵の道を進められたが、「絵で食べていくことは難しい」と高校生ながら現実を見つめていた今田さんは、一般大学の文学部に進学した。大学卒業後はアンティークショップ、携帯電話ショップ、介護などの仕事を転々としていた。その間もずっと絵は描き続けていたが、人に見せることは考えていなかった。
そんな中、人との出会いが転機を生む。31歳で島に戻ってきた今田さんは、少しずつ展示会などを訪れるようになる。行動していくと、様々なアーティストと出会う機会も増えてきた。そして、高田泉さんというアーティストとの出会いが転機となる。「あなたは作品を見る側の人間ではありません。つくる側の人間です。個展を開いてください。」そう言われて、それまで人に見せるものではないと思っていた自身の作品を、個展という形で世に出す決意をした。2016年6月、今田さんの初の個展『Look at me』が開かれた。それからは転がるようにイベントや展示の依頼が来るようになり、半年後には東京で展示する機会もあった。
アーティストとしての活動が忙しくなってきた頃、アートスペース『HS-LAB』オーナーのシマムラヒロシさんという方からバルセロナでのアート活動の紹介があった。もともとスペインの芸術文化に関心のあった今田さんは、その話に「ピン」ときて3か月のバルセロナの旅に出た。そこでは、海外アーティストとの出会い、作品の鑑賞、制作、語学、様々な経験がとにかく刺激的だった。帰国後、今田さんはバルセロナでの経験を『ライブパフォーマンス』という形でアウトプットするようになる。「作品の表現方法を広げたいと思ったとき、より能動的なスタイルがライブパフォーマンスだった。自宅での制作はやり直しがきくけど、ライブだと後戻りできない。凝縮された時間の中で作品を作ることで、自分が想像していなかった生きた作品ができる。」ひとつひとつの出会いをきっかけに新しい世界に踏み出してきたからこそ生まれたスタイルなのだろう。

音楽イベントで即興制作した作品(写真提供:今田知佐子)

つくり続ける

今田さんはアーティスト活動以外にも、コミュニティスペースやスイーツ店でも働いている。前者は『場』をつくる、後者は『(食べ)モノ』をつくる活動とのこと。「結局何かをつくっていたい。創造と想像があふれる場所を求めたい。」と今田さんは言う。
今後について聞いたところ、「乗れる波に乗りつつ、経験したことのないことに触れてみたい。」と返ってきた。今年の秋には再びバルセロナに行って現地での作品制作と展示を予定しているそうだ。小さい頃から絵を描き続けてきた今田さん、これからもずっと絵を描き続け、きっと世界で活躍するアーティストになると、僕はこっそり期待している。

 

コミュニティスペース「フウド」で今田さんが企画したイベント「蚤の市」の様子
コラージュアート制作の様子

 

人物ストーリー

  • 江田島市沖美町三高出身
  • 小中高とバレーボールに明け暮れる傍ら、小さいころから大好きな絵を描き続けていた。
  • 京都の大学に進学。日本文学を学びバンド活動にも励んだ。
  • 大学卒業後、アンティークショップの店長を務める。
  • 2011年に島に戻り、派遣社員として携帯電話会社で働いたのち、介護施設に就職。
  • この間、働きながらも絵は描き続けており、2016年に初の個展「Look at me」を開く。
  • 2018年、スペインバルセロナへ3か月の旅に出る。
  • 帰国後、江田島でさつまいも専門店とコミュニティスペースのスタッフとして働きながら、より本格的にアーティスト活動に取組み、現在に至る。

 

連絡先

今田知佐子
HP:https://www.chisakoimada.com/
Mail:hummingbird8026@gmail.com

 

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