”情熱と信念を持って継続する”

産業観光

江田島市シルバー人材センター 理事(竹炭工房おおがき)/ふるさと物産 代表

大本おおもと 哲朗てつろう

出身:広島県江田島市
活動拠点:大柿町
趣味:山登り、シーカヤック、人物鑑賞
好きな言葉:夢を夢で終わらせない
好きな食べ物:煮魚
江田島のここが好き:人/海と山に囲まれた環境
今、気になる人:向井亮太さん

 

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  • 竹炭製品の製造・販売。
  • 竹炭のほか、柑橘類や塩など島の素材を使った商品の開発(商品例:源泉から濃縮還元した瀬戸内海発の「温泉塩」)

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  • 江田島市内のいろんな素材を使って新たな特産品の開発・販売に取り組みます。
  • シルバー人材センターの事業を基盤に高齢者が住みよい地域づくりを進めたい。

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  • 島内の様々な素材と竹炭を組み合わせて新たな商品を開発できます。
  • イベントや店舗などの販売拠点に出品することができます。
  • 竹炭工房おおがきの見学を受け入れています。

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  • 趣味や仕事でものづくりをしている人
  • 地域でがんばっている若い人

 

後藤記者の取材後記
(取材日:2016年10月25日(火))

 

知れば知るほど奥が深い竹炭の製造工程

竹炭の製品化には実に3~4か月を要する。ざっくりとした工程は以下。

  1. 山に入って3~5年の孟宗竹を切り出し、竹炭工房おおがきに運搬する。

    山から切り出してきた孟宗竹
  2. 切断機で約1メートルに切りそろえる。

    切断機を使って一定の長さ(約1m)に切りそろえる
  3. 竹割機で均等の幅に分割する。

    竹割機を使って均等の幅に割る
  4. 結束機で束ねる。

    10キログラム単位の束にして紐でくくる
  5. 燻煙窯に入れて1ヶ月間燻す。

    左は燻煙前、右は燻煙後
  6. 燻した竹束を1ヶ月以上自然乾燥させる。
  7. 炭焼窯に入れて4日間かけて800~1200℃の温度で燃焼する。

    炭焼き中の窯。左下のボードは窯の温度を示したもの。温度管理が非常に重要となる。
  8. 炭化後、窯を密封して4,5日冷却すると竹炭ができる。

    出来上がった竹炭の抵抗値を測定して検品する

以前取材した津島織物さんのときもそうだったが、僕はわりと工場が好きなので、竹炭工房おおがきも機械や窯を見学しながら竹炭ができあがる工程を教えてもらえてとても心が躍った。機械の一つ一つが合理的だし、人の技術も合わさっていることがツボである。昔からの技術と人の目利きによってつくられる竹炭は、アナログな印象もありつつ物理と化学を掛け合わせた究極の製品なのだ。

 

竹炭を入れてご飯を炊いたら本当においしくなった

竹炭がいろんなモノコトに使われていて、多様な効用があるという話は昔からよく聞いていたが、正直半信半疑なところはあった。しかしこの製造工程を見て、化学反応を理解し、大本さんの話術に乗せられれば、「じゃあちょっと試してみようか」という気持ちになる。そこで、竹炭を買って早速自宅の炊飯器に入れてご飯を炊いたところ、本当にいつもよりおいしく感じた。
それもあって竹炭という万能商品により興味を持った。竹炭自体はミネラルを含み浄化作用があると言われているので、飲料水に入れたり炊飯時に一緒に炊いたりすると水やご飯がおいしくなるらしく様々な料理にも応用が効く。また、床下に入れれば調湿・脱臭・防菌効果もあり、自宅の置物や店舗の装飾品などにも利用されている。さらには、炭焼きの煙を冷やして抽出する竹酢液は園芸の虫よけや堆肥作り、殺菌・消臭剤など様々な用途に使える。竹炭・竹酢液はまさに万能商品であることを学んだ。いろんなことを試してみたいなと思った。

炭焼きの煙を冷却して抽出した竹酢液
左下は床下用竹炭。上の段は竹炭を使った様々なディスプレイ
とある施設にお邪魔すると竹炭工房おおがきの竹炭を使った置物が飾られていた。

 

情熱を持って続けていくことが大事

竹炭工房の管理者でシルバー人材センターの理事、加えて個人で物産事業も手掛けるなど幅広い活動をしている大本さんは、活動の信念を「情熱を持って活動を続けていくこと」だという。
江田島市大柿町出身で呉工業高等専門学校を卒業後、東京の企業に勤めていた。在職中、上海支社に勤めていたこともあり、中国語は堪能。新しい会社の立ち上げに携わった経験も持っている。会社に入ったときから将来は地元に戻ることを考えていたという。定年後に江田島市に戻ってきてからは、自治会やシルバー人材センターなど地域団体に入り、地元の様々な活動に関わってきた。
地域団体に積極的に関わった理由の一つに、「地元を盛り上げるために描いていた自身の構想を実現するためにも、地域の今を知り、地域の人々とつながることが大事だと思った。」と大本さんは言う。“地元を盛り上げたい”という情熱があり、それを実現するために地域に深くかかわる。そして自らの構想を少しずつ形にしていく。それが島の素材を生かした特産品の開発・販売を行う事業「ふるさと物産」である。長年企業に勤め功績を残していた大本さんならではの取組だ。
情熱を持ちながらも緻密に物事をとらえ実行していく。取材中も淡々と話す大本さんからは聡明さも感じる。しかも男前。“クレバーでハートの熱い映画俳優”、僕が抱いた大本さんの印象だった。

 

イベントで子どもたちに提供する竹とんぼをつくっている大本さん。

 

人物ストーリー

  • 江田島市大柿町柿浦出身
  • 呉工業高等専門学校を卒業後、東京の企業に就職。このときから将来は地元に戻ることを考えていた。
  • 在職中、上海に勤めていたこともあり会社の立ち上げにも携わる。
  • 定年退職後、柿浦にUターン。
  • 自治会やシルバー人材センターに所属し、竹炭工房のほか様々な地域活動に携わる。
  • 個人事業「ふるさと物産」を立ち上げ、特産品の開発・販売に取り組み現在に至る。

 

連絡先

大本哲朗
Tel:090-4382-1736
Email:syanghaibobo@yahoo.co.jp

 

 

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