江田島焼 沖山工房
沖山 努
出身:江田島市江田島町
活動拠点:江田島町(活動範囲は日本全国)
趣味:陶芸教室
好きな言葉:ないものはない(今あるもので)何ができるか
好きな食べ物:奥さんの作った料理
江田島のここが好き:今のあるがままの江田島
今、気になる人:井上峰志 さん
- 牡蠣殻を使った陶芸作品「江田島焼」の製作
- 出張陶芸教室(個人から学校・企業まで、日本全国ご要望に応じて対応可能)
- 江田島でしか手に入らない作品づくり、自分でしかできない作品づくり
- 日本全国出張陶芸教室ができます。
- 陶芸体験をすることができます。
- オリジナルの作品、特注の作品をつくることができます。
- 陶芸以外の知らない世界の人々と話をしたい
後藤記者の取材後記
(取材日:2016年7月6日(火))
物腰の柔らかい職人さん
陶芸の職人というと無口で武骨な人、という先入観があるが、沖山さんはとても物腰が柔らかく、いろんなお話を聞かせてくれる。
初めてお会いした時は、ちょうど作品づくりに集中していたのでご挨拶とお約束だけさせてもらい、後日取材をさせてもらった。取材時は陶芸の話にとどまらず、いろんな話に花が咲いてついつい長い時間をいただいてしまったほど。
「今後どんな人と関わりを持ちたいですか?」という質問にも
「陶芸以外の知らない世界の人たちと話をしたい」とお答えいただいた。
僕は芸術家ではないけど、自身の分野にとどまらない柔軟な知識欲と吸収力が作品にも表れてくるのだろうと感じた。
江田島ならではの作品
沖山さんの作品の最大の特徴は、「牡蠣殻」を100%釉薬(ゆうやく)の原料として使っていることだ。釉薬とは作品の表面を覆っているガラス質のうわぐすりで、粘土や灰などを水で溶かした液体が用いられる。江田島市は牡蠣の生産量が全国でもトップクラスで、むき身で出荷することが多いため、大量に牡蠣殻が発生し肥料や建材などにリサイクルされている。沖山さんはそこに注目し、牡蠣殻を使った釉薬を試行錯誤の末開発し、「江田島焼」を生み出した。酸素を抜いて焼き上げる還元焼成という手法を使い、茶褐色のとても味がある作品に仕上がる。これぞ、江田島オリジナルの焼き物なのだ。僕も江田島で最初に購入した食器は江田島焼のマグカップだった。
社会の抱える問題解決のお手伝い
沖山工房の経営理念は「陶芸を通して顧客が、勇気と喜びを想像することに貢献し、社会の抱える問題解決のお手伝いをさせていただくこと」とされている。そうは言っても、きれいごとでは商売も厳しいのではないか、などと浅はかな考えでお話を聞いてみると、とても納得のいくエピソードを聞かせていただいた。
陶芸家として独り立ちするには苦労もあった。昼間に力仕事のアルバイトをこなし、夜に作品づくりの毎日。最初は作品がまったく売れなかったと言う。しかし、8年間ほどアルバイトで資金をため、工房を設立。少しずつお客さんもつくようになってくると、お客さんを喜ばせることで新たなお客さんを紹介してもらえるようになってきた。それは作品だけでなく陶芸教室も同様で、リピーターや顧客の紹介による新たな引き合いが多くなってきたという。
興味深いのは、企業の研修や自衛隊、登校拒否児童・生徒の立ち直り支援、婚活イベントなど、社会的な役割を持った団体から引き合いが来ていることだ。沖山さんは知識が豊富で話も上手なので、ただ陶芸を体験するだけでなく話術でも参加者を喜ばせているとのこと。ある企業研修では、営業マンよりおもしろく話すので、コミュニケーションの研修にも役立っているという。お客さんを喜ばせることで社会に貢献し、自ずと次の仕事につながっていく。陶芸に限らず、仕事をする上でとても大事な姿勢を改めて気づかせていただいた。
人物ストーリー
- 江田島市江田島町出身。
- 高校卒業後、芸術系の大学に進学。
- 大学卒業後、陶芸家勝尾青龍洞に弟子入りする。
- 25歳で江田島に戻り、セメント運搬業のアルバイトと兼務で陶芸家を始める。
- 約8年間アルバイトで貯めた資金をもとに工房を設置。
- 牡蠣殻を使った江田島焼作品の製作・販売、出張陶芸教室(年間40回程度、累計600回以上)を実施。現在に至る。
連絡先
江田島焼 沖山工房
住所:広島県江田島市江田島町宮ノ原3-14-1
TEL:0823-42-4309
FAX:0823-42-1872
Email:tutomu-okiyama@nifty.com
HP:http://etajimayaki.com
※コンタクトを取る際は、「江田島人物図鑑を見て」と告げるとスムーズです。
※編集局を通じてのコンタクトも可能です。編集局までメールください。