“人が集まるパン屋を”

 

地域おこし協力隊/江田島雑貨店

西村にしむら  京子きょうこ

出身:山口県岩国市
活動拠点:江田島市
趣味:パンを焼くこと/ライブ・映画・美術・スポーツ鑑賞
好きな言葉:夢は正夢
好きな食べ物:全部好き♪
江田島のここが好き:うつくしい夕日、あたたかい人
今、気になる人:後藤 峻さん、峰尾 亮平さん

 

  • 江田島市地域おこし協力隊
  • 江田島雑貨店 代表

  • 人が集まるパン屋カフェをオープンしたい

  • 健康づくりの機会を提案・実施していきたい

  • いろんな人と楽しいことがしたい

 

後藤記者の取材後記
(取材日:2019年2月5日)

 

オリーブ普及員

協力隊オリーブ普及員として江田島市のオリーブ振興に携わっている。全国的にも珍しい『オリーブ普及員』という肩書だが、メディア関係の仕事を長年続けてきた西村さんの経験は、この職種に最適だった。ただ、それよりも西村さんの本当に素敵なところは、誰とでも仲良くなれる持ち前の明るさだと僕は思っている。
2016年3月末、地域おこし協力隊の顔合わせで初めて西村さんと会った。その帰り、広島港行の高速船が一緒になったのでいろいろ話をした。出身や前職、これから住む家のことやこれからの活動に対する期待や不安など、人見知りしがちな僕だが、不思議といろんな話をしたことを覚えている。明るい性格となんだかいろいろ話したくなる雰囲気が西村さんの素敵ポイントなのだ。

 

なんでもやってみる

「想像以上に仕事がしやすく楽しかった。」地域おこし協力隊の3年間を振り返って、西村さんは語る。パートナーに峰尾さん(オリーブ栽培技術指導員)がいてくれたことも大きかったという。
江田島市に来た最初の年、「なんでもやってみる」ことを目標に活動に臨んだという。7月には『オリーブだより』という季刊紙を発行。オリーブに関する旬のネタや栽培に関する情報を定期的に発行する広報紙として江田島市内に配布。さらに同月、オリーブオイルを使った料理を楽しみながらオリーブについて学ぶ『オリーブオイル講座』を開催した。そのほか、市内の小中学校でオリーブに関する特別授業を行ったり、テレビやラジオでのPR、市内のオリーブ栽培者の訪問、小豆島での研修など、1年目から多彩な活動を行った。

 

第1回オリーブオイル講座の様子
オリーブ見学者に説明をする西村さん

数ある1年目の活動で印象的だったエピソードは『オリーブ収穫ボランティア』だった。毎年オリーブは10月ごろから収穫時期を迎える。オリーブの収穫はひとつひとつ手摘みで、さらに収穫後はできるだけ早く搾油しなければならないため、大変な作業となる。その作業を手伝ってくれるボランティアを募集しようと企画した。しかし最初は「ボランティアでは誰も来んじゃろう」と批判的な意見もあったという。それでも「なんでもやってみる」精神で実行した結果、島内外から累計約150人の参加者が集まった。

 

収穫ボランティアに説明をする西村さん

裏方からリポーターまで

そんな西村さん、前職では広島市内のケーブルテレビで働いていた。広島市全域を駆け巡り、動物園や町内会行事からカープまで、幅広いジャンルの放送に関わっていたという。地域に根差したメディアだから、仕事を通じて地域の人たちとの付き合いも多く、友人・知人も増えた。特に驚いたことは、番組制作の行程を最初から最後まで自分でこなしていたということだ。企画・取材先へのアポイント・取材・撮影・生放送。そんなスーパーマンみたいに働いていて大丈夫だったのかと心配すると「いろいろ経験できて面白かったよ。いろんな技術も身についたし、俳優にもインタビューできたし(笑)。『取材対象に喜ばれる番組制作』を心掛けとったんよ。」とはにかむ。そんな西村さんだから、オリーブ普及員としても、ここまでの活躍ができたのだなと納得した。

オリーブの景色をつくりたい

地域おこし協力隊の2年目は、1年目以上に様々なメディアを通じてオリーブのPRに努めた。特に一番のヒットはオリーブ冠だ。『勝利・平和・知恵』といった意味を持つオリーブの木の冠をPR材料として活用することを思い立った。これが、世界フィギュアスケートの国別対抗戦の優勝チームに贈られたのだ。そしてこの大会で優勝したチームは日本。あの羽生結弦選手をはじめ日本を代表するフィギュアスケーターたちの頭上に西村さんたちが作ったオリーブ冠が輝いた。これを機に島内外のイベントで江田島市のオリーブ冠が採用されることとなり、その都度地域の人たちと一緒に制作してきた。
そして3年目、1年目からずっとやりたかった『えたじまぐるっとオリーブラリー』が実現した。2年間かけて築いてきた島内の栽培者さんや事業者さんたちとの関係性がここで活きた。江田島市内16店舗にオリーブを使った食事や商品を提供してもらえるよう呼びかけた。お客さんが店舗を訪れ食事などを摺るグルメスタンプラリー企画。お店からは「初めてのお客さんが来てくれて活気が出た。」などの感想もあり、オリーブ普及員の集大成として感無量だった。
「オリーブに対して島の人たちが前向きになってきていることがうれしい。オリーブの冠やリースを配ったり、オリーブサポーターを増やしたり、オリーブラリーをしたり、オリーブの島だからオリーブの景色をつくりたい。」そう語ってくれる西村さん。これからも江田島市のオリーブが世界に発信されていくと思うとワクワクしてくる。


オリーブラリーで提供された食事(写真提供:西村京子)

 

人が集まるパン屋カフェ

オリーブについてばかり触れてきたが、西村さんには「パン屋さんになりたい」という夢がある。もともと、江田島に来る前から抱いていた夢だ。そして、その夢を今まさに現実にしようと本格的に準備を始めている。オリーブはもちろん、島のフルーツや野菜を使ってこだわりのパンを焼きたい。そしてそのお店に大好きな人たちがいつも集まる場所にしたい。
そんな夢をずっと語っていたものだから、今では多くの江田島市民が西村さんのパン屋開業を楽しみにしている。オリーブの普及とパン屋さん、明るくてなんでも話したくなる西村さんの周りには、これからも多くの人が集まることだろう。

イベントに出展し、江田島の特産品を販売する西村さん

 

 

人物ストーリー

  • 山口県岩国市出身
  • 大学進学を機に広島へ。廿日市の祖母の家で暮らす。
  • 大学時代は地理学を専攻し川の調査や地域の人へのアンケート調査に取組む。
  • 大学卒業後、広島市内のケーブルテレビ会社に就職。18年間勤める。
  • パン屋さんになりたい、自然豊かな島に暮らしたいという思いが募り、ケーブルテレビ会社を退職し江田島市地域おこし協力隊として赴任。現在に至る。

 

連絡先

西村京子
Email:kyonba7@gmail.com

 

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