“島に起きるムーブメントの立役者”

 

地域おこし協力隊/瀬戸内いとなみ舎

峰尾みねお  亮平りょうへい

出身:神奈川県綾瀬市
活動拠点:江田島市
趣味:読書
好きな言葉:人生はいつもトライアンドエラー
好きな食べ物:お寿司
江田島のここが好き:頑張っている人を応援する風土
今、気になる人:井上峰志さん、小林富士雄さん

 

  • オリーブの栽培、加工、搾油
  • オリーブ栽培者さんのフォロー
  • 「えたじま手づくり市」実行委員
  • タウン情報サイト「こみみ江田島」編集長

  • いつか江田島で「アースデー」開催

  • オリーブ栽培のあれこれ
  • 観光や教育、PRやデザイン、イベントの開催など、オリーブ以外でもお手伝い出来ることがあればお気軽にご相談いただけたら嬉しいです

  • 島を元気にしたいと思っている皆さん

 

西村記者の取材後記
(取材日:2019年2月5日)

 

柔軟な発想力と「やればできる」を体現する行動力

1期生3人が三角形でそれぞれを取材し記事を書くこの企画、「峰尾さんが書く後藤さんを見たい」と言ってしまったおかげで、私が峰尾さんについて書くことになった。3年間一緒に仕事をして、今さら何を書けというのか。ただ2人に伝えたいのは、「江田島を選んでくれて、ありがとう」という感謝の言葉、それだけだ。
峰尾さんの第一印象は、真面目で頭の良い人。よく冗談も言い、ユーモアにも溢れる。こうだと決めたら譲らない頑固な一面もある。この頑固さは、私にも当てはまり、それがゆえにぶつかることもあったのだが、そこはご愛敬ということで(笑)。この3年間、峰尾さんのアイデアとセンス、実行力にはいつも引っ張ってもらい、助けてもらった。席を並べて仕事できたことは心強く、どれほど感謝しても足りないくらいだ。彼自身「情熱」と表現するが、自分のために、人のために、地域のために、自分に何かできると感じた時には、とにかく全力でプレーする。その情熱はどこから来るのか。どうやら根本には「やればできる」という精神があるようだ。「『やればできる』を自分自身も実現したいし、他の誰かもそう思える手助けやきっかけになれれば」と言う。このことを腹に据えたエピソードがある。協力隊2年目の秋、江田島市内で映画上映会を開催した。有料だとお客さんは来ないと言われながら、980人が来場し、島のビッグニュースとなった。島中にポスターを貼り、チラシを配り、できるだけのPRをした賜物だ。裏での粉骨砕身っぷりは想像を超えるものだった。「明岳市長から『もう何でもできるね』と言われたことが心に残っている。この気持ちをいろんな人にも感じてもらいたい」―峰尾さんの想いは確固たるものになった。「やれば形になる」「人に届く」「あきらめずにやる」…実際にコトを起こし、実現させてきた峰尾さんからの言葉は重みがある。

 

2017年9月。「この世界の片隅に」映画上映会 実行委員会の皆さんと。地域の皆さんと力を合わせて開催した。「やればできる」を実感したのはこの時。
その他の地域のイベントにも積極的に参加した。「協力隊任期の3年の間に、地域の皆さんから『地域おこし』を教えていただく機会も多かったという。

 

歩きながら考える―謙虚に、したたかに

峰尾さんは常に考える人でもある。一見、情熱と裏腹のようだが、峰尾さんの座右の銘の一つでもある「歩きながら考える」だ。行動にはすべて理由がある。例えば、新聞。協力隊の中でも群を抜いて、新聞に掲載されている。フェイスブックなどでの情報発信も含めて、セルフプロデュースがうまいのだ。理由を聞くと、「誰でも思い入れができると応援する。だから応援してもらえるよう、頑張っていると思ってもらえるように、情報発信し、新聞にも売り込む。」決して自分のことだけではない。新聞に載ることで、江田島に明るいニュースを届けたいという気持ちもある。謙虚に、したたかに。である。
人となりを表すのが「広島弁」。峰尾さんは生まれも育ちも神奈川県。広島には縁もゆかりもない。その彼が今はネイティブな広島弁を話す。自分のことを「わし」と言い、語尾には自然に「じゃけぇ」がつく。協力隊になった当初、「周りの人がじゃけ、じゃけ、うるさい!」を言っていた彼が、だ。もちろん周りに揉まれて自然に身に付いた部分もあるが、ほとんどは、江田島市の皆さんとの信頼関係を早く築きたいという想いから、自分自身で鍛えたという。島の共通言語は広島弁。島の人との距離感が近くなるように、早くなじめるようにとの努力の結晶だ。

 

 

オリーブの栽培者講習会。講習の時ももちろん広島弁。
中国新聞でも紹介された江田島市交流観光課の紙袋。デザインは峰尾さん。
中町小で「オリーブ冠」づくり。運動会で使うための冠を保護者と児童で作った。作り方の説明がうまく、峰尾さんが指導すると、誰もが上手に作れる。
オリーブへの愛と情熱も折り紙付き。自身の畑の収穫も楽しみにしている。

オリーブで地域づくり

ここまでオリーブについて触れていなかった。彼のミッションは「オリーブ栽培技術指導員」だが、その枠を大きく超えた活躍をしたからということに尽きる。だからと言って、オリーブに関することが中途半端なわけではない。ここでも“情熱”は発揮されている。小豆島でしっかり学んだことを江田島市民の皆さんに還元すべく、栽培マニュアルを作り、講習会を行い、栽培者の皆さんとの交流も積極的に行ってきた。「栽培者の皆さんとともに泣き、ともに笑えるように」と力を注いできた。頼られている峰尾さんを横で見るにつけ、誇らしいと思うこともしばしば。オリーブの収穫量が飛躍的に伸びたのは、樹の成長だけではなく、こうした地道な活動が実を結んだに違いない。協力隊卒業後も、オリーブに関する市の業務を引き受けつつ、自ら興す合同会社「瀬戸内いとなみ舎」で、オリーブのことで地域貢献、地域づくりをしたいと考えている。栽培だけではなく、商品化する出口を作る。栽培者と消費者をつなぐ役割も担いたいと意気込む。それには、これまで培ってきた人と人の繋がりを大切にすること。いとなみ舎の名の通り、暮らしの中にあるものを紹介したいという。その他、「地に足の着いた生活」「自給自足に近い暮らし」をしたいとも話す。島の人の方が先生なので学びながら…と謙虚な心も忘れない。
「自分の経験が自分の強みになる。みんなの長所が島の強みになる。」3年間、島の皆さんに助けてもらってきたと感謝の気持ちでいっぱいだ。頑張っている人を応援する風土も味方に付けて、地域に役割を与えてもらい、お互いに刺激し、協力することで、もっともっと良くなる。これからは、「オリーブ栽培者の皆さんとともに泣き、ともに笑えるように」からさらに一歩進んで、「島の皆さんとともに泣き、ともに笑えるように」に広がった活動が見られると思うと、ワクワクが止まらない。江田島を選んでくれてありがとう。

峰尾さんが作成した栽培マニュアル。オリーブ栽培の教科書を作りたいと協力隊1年目から取り組んだ。
瀬戸内いとなみ舎として販売した「新漬けオリーブ」。栽培者の皆さんの実を買い取り、商品化した。今後もオリーブ関連の商品を展開していきたいと意気込む。

 

 

 

人物ストーリー

  • 神奈川県綾瀬市出身
  • 経歴は会社員や図書館員、移動式古本屋など
  • 2016年、江田島市地域おこし協力隊オリーブ栽培技術指導員に任命
  • 2019年、瀬戸内いとなみ舎合同会社を設立

 

連絡先

峰尾亮平(瀬戸内いとなみ舎合同会社)
TEL:090-1790-9904
Email:motionisemotion@yahoo.co.jp

 

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