”利用者にとって「あたりまえの存在」になる”

株式会社 凛 代表取締役/福祉サービス事業所 りんりん

飯田いいだ 優子ゆうこ

出身: 広島県江田島市
活動拠点:大柿町大君
趣味:神社巡り、音楽ライブ鑑賞
好きな言葉:大丈夫、なんとかなる。
好きな食べ物:甘いもの
江田島のここが好き:ここ(事業所)から見える景色
今、気になる人:江田島市長 明岳 周作さん

 

  • 就労就業支援B型:障がい等により企業などに就職する事が困難な方に働く場所を提供しています。カキ養殖用の貝殻通しや施設の清掃、簡単な農作業などを行っています。
  • 日中一時支援:障がい等により見守り等の支援が必要な方を預かり、レクリエーションなどの活動を行っています。ご家族の就労支援及び一時的な休息にもつながります。
  • 夜間や緊急時の対応もしています。

  • 短期入所やグループホームの事業も将来的には担っていきたい。

  • 近所の子どもやお年寄りなど障がい者以外の方も気軽に訪れて過ごすことができます。
  • 緊急時には避難場所としても提供可能です。

  • 障がい者等の支援に理解のある企業や個人の方。
  • 小物や雑貨などを作るのが上手な方。

 

 

後藤記者の取材後記
(取材日:2016年11月8日(火))

 

みんなに知ってもらいたい

福祉サービス事業所“りんりん”では、平日の9時半から15時半までの間、障がい者や引きこもりの方の行き場として、市内の様々な事業者と提携しカキ養殖の貝殻通しや施設の清掃、簡単な農作業などを行っている。
「少しでも外に出るきっかけをつくりたい」と飯田さんは言う。
実際、僕が初めてりんりんを訪れたとき、利用者のみんなが笑顔で貝殻通しをしていた様子がとても印象的だった。就労就業支援B型は、施設利用者にとって外に出て体を動かしながら誰かとコミュニケーションを交わす良い機会となっている。
また、作業を依頼する企業にとってもうれしいサービスだ。とある経営者からは、「予想以上にきちんと作業してくれるので、ほかにもいろいろ頼んでみたい」というお話も聞いた。企業の社会貢献に加え、仕事のパートナーとして付き合うことができている。
日中一時支援は、障がい者等を見守るサービスで、15時半から17時半までをサービス提供時間としている。緊急時であれば夜間も対応するとのこと。利用者の家族が少しでも安心して働ける時間を持ってもらったり、休息をとってもらうことも目的にしている。
「利用者本人にとってはもちろん、利用者の家族や、仕事を提供する企業、みんなが幸せになれるサービスを提供したい。そのためには、まず、こんな事業所があるということをみんなに知ってもらいたい。」
この取り組みが少しでも多くの人に伝わるために、微力ながら僕も広めていきたい。

 

福祉サービス事業所“りんりん”の外観
施設利用者と一緒に作った小物。竹炭をビーズで飾った消臭効果のあるインテリア。

 

りんりんストーリー

今回の取材は「福祉事業所をがんばって切り盛りしている女性がいる」と推薦をいただいたことがきっかけであった。
飯田さんは、もともと江田島市や呉市の障がい者施設で働いており、「定年したら自ら福祉事業を立ち上げたい」という思いがあった。そんな中、もともと集会所として使われていた今の施設が入札にかけられることを知った。自宅から徒歩2分、ここでならやりたかったことができるかもしれないと考えたが、まとまった資金を用意することは難しかった。それでも自らの夢を実現したいという思いが強く、平成27年に銀行から融資を受け思い切って入札した。落札後、草が生茂っていた施設を自らの手で整えながら、法人(㈱凛)を立ち上げ、事業を開始。立ち上げてから間もないこともあり、経営は必ずしも安定しているとは言えない。それでも自身がやりたかったこと、地域に求められていることを原動力として日々頑張っている。
始まったばかりのりんりんストーリーに今後も注目していきたい。

 

“あたりまえの存在”になりたい

放課後、近所の子どもたちがりんりんを訪れ、障がい者の方々と触れ合う光景が日常的にみられる。
「障がい者と触れ合うことで子どもたちも成長する。そういう子どもが大きくなったらより魅力的な大人になるのではないか。」
飯田さんは地域の子どもに対しても開かれた施設を目指している。
また、デイサービスはまいでの清掃作業後には、お年寄りとのレクリエーションを楽しんでいる。取材のときには、風船をうちわでパスして回す「うちわ風船」や椅子に座って体操をする「100歳体操」をしていた。うちわ風船はけっこう夢中になれる遊びで見ている僕も楽しかったし、100歳体操は実際やってみたら意外といい運動になった。
りんりんは夜間などの緊急時、本当に困ったときに対応できるよう、飯田さんの自宅の近所にある。江田島市内で日中一時支援や夜間・緊急時も対応する事業所はりんりんだけとのことだ。
「地域にとって特別な存在ではなく“あたりまえの存在”になりたい。」
障がい者だけでなく、地域の子ども達やお年寄りとの交流も楽しむ。地域にとってあたりまえの存在。これからの福祉施設のあるべき姿を学んだ気がする。

 

デイサービスはまいで新聞を使ったゲームを楽しむ

100歳体操の様子。

 

レクリエーションを一緒に楽しむ飯田さん。

 

 

人物ストーリー

  • 江田島市大柿町出身
  • 江田島市及び呉市の障がい者施設に勤務。
  • 平成27年8月、集会所として使われていた現在の施設が競売に出されていたところを落札。
  • 同年11月、株式会社 凛を立ち上げ、福祉サービス事業所「りんりん」を開所。現在に至る。

 

連絡先

福祉サービス事業所「りんりん」
Tel : 0823-36-7885
Email : fukushi-rin.rin@arrow.ocn.ne.jp
HP : http://fukurinrin.web.fc2.com/

 

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