「ただいま」と 言いたくなる場所

 

 

体験民泊コンベイ/江田島郷土料理研究会

川本かわもと 良雄よしお

出身:福岡県北九州市
活動拠点:江田島市
趣味:シーカヤック/木こり
好きな言葉:忍/点
好きな食べ物:刺身・漬物
江田島のここが好き:沖美の風景
今、気になる人:盛生幸子さん

川本かわもと 一美かずみ

出身:江田島市大柿町
活動拠点:江田島市
趣味:料理/テーブルコーディネート
好きな言葉:Going my way
好きな食べ物:卵・甘いもの
江田島のここが好き:街に近いこと
今、気になる人:盛生幸子さん

 

  • 体験民泊コンベイの運営
  • 郷土料理をみんなで学んで伝える「江田島郷土料理研究会」

  • 若い人と一緒に活動しながら引き継いでいきたい
  • 音楽イベントを開催したい

  • 郷土料理をふるまうことができます
  • 訪れた人、住み始めた人にいろんな情報をお伝えできます

  • 江田島を盛り上げようとしている若い人たち

 

峰尾記者の取材後記
(取材日:2019年1月31日)

 

「ただいま」と言いたくなる宿

川本さんご夫妻が運営する体験民泊「コンベイ」はなんともアットホームな宿だ。沖美町の静かな場所にある素敵な木造3階建ての建物には、赤ちゃんからおじいちゃんおばあちゃんまで、老若男女がゆったりとした時間を過ごしに訪れている。建物自体も素敵なのだが、やっぱり川本夫妻に会いたいという人が集まっている様子だ。
良雄さんは北九州出身。全国転勤の会社に勤め、結婚後も単身赴任で全国を飛び回っていた。管理職としての最後の異動で、一美さんのいる広島を希望。64歳まで広島で勤めたのち退職する。一方、一美さんは結婚後、退職するまで広島の会社に勤務していた。良雄さんが広島に戻ってくるまで、二人はそれぞれの土地で長い間がんばっていたのだ。だからだろうか。良雄さんと一美さんは、二人とも好きなことにのびのびと取り組んでいながら、お互いのことを尊重して支え合っている。
そんなお二人が運営する宿だから、「お父さんとお母さんが待つ家」に帰ってきたような気分になるのだろう。「よう来たね。遠慮せずゆっくりしんさい」。とお客さんを迎え、「ありがとうね。また来んさいね」。と見送る。そういわれると、また「ただいま」と言って戻ってきたくなる。体験民泊コンベイはそんな宿なのだ。

 

コンベイの1階。木のぬくもりを感じる素敵な空間。

 

江田島郷土料理研究会

平成26年から川本さんたちが始めた『江田島郷土料理研究会』。島で民泊を受け入れている家庭が月に一度集まって、江田島の郷土料理をみんなで作り、みんなで食べて、共有していこうという取組みだ。今では39家庭が参加していて、取材当日も20人ほどの民泊家庭が集り、わいわいと料理を作っていた。その中心にいるのが川本さんご夫妻。料理の上手な一美さんとまとめ上手な良雄さんのコンビネーションが頼もしい。「人が集まるようになってひとつのコミュニティになっている感じ。料理に関することもそうでないこともあーだこーだしゃべりながらやるのがおもしろいんよ。料理よりもおしゃべりを楽しんどるかもしれん(笑)」と冗談交じりに一美さんは言う。
最近では、若い世代の参加も増えてきているようだ。民泊を始めた20~30代の家庭が、「島ならではの手作り料理を覚えたい」と川本さんたちを尋ねてくるという。研究会の目的の一つである『島の郷土料理の継承』の流れが自然と生まれてきている。

 

みんなでおしゃべりしながら料理を楽しむ
500円の参加費でこんな豪華な献立が味わえる
お二人がそろったところをパチリ。

 

若い人たちをサポートしていきたい

体験民泊や郷土料理研究会以外にも川本さんご夫妻の活動は幅広い。最近は木こりにはまっているという良雄さんは、昨年からコンベイの裏山の整備を始めた。地主に許可をとり、仲間と木を伐採しながら山の風景を整えている。「木を切って山がよみがえる。切った木は薪にして活用するし、体を動かすので体力維持にもなる」と語る。さらに、民泊で訪れた子どもたちを対象にカヌーのインストラクターも務めるなど、 72歳とは思えない行動っぷりだ。一美さんも島の若い奥様方に自前の味噌の作り方を教えるなど、二人ともいろんな方面から若い世代に頼られ、それに応えている。その原動力について尋ねたところ、「これからは若い人たちが活躍していく時代。自分たちができることを若い人たちと一緒に活動しながら少しずつ引き継いでいきたい」と語ってくれた。

 

学生たちと作った石窯でピザを焼く良雄さん
コンベイの裏山。木を伐採し、少しずつ明るくなっている。

点が線になり、輪になって動き出す

川本夫妻の周りにはいつも人が集まっている。時には宿、時には研究会、時にはイベントなどなど。2年前には広島県が行った『ココロザシ応援プロジェクト』で毎月コンベイでイベントを開催した。その行動力もさることながら、毎回多くの参加者が集まったのは、ひとえに川本夫妻の人柄のおかげだろう。
良雄さんは『点』という言葉が好きだという。「点が集まると線になる。その線が輪になって、その輪が広がって動輪として動いていく。そんなつながりが好きなんです。」そんな考え方が川本夫妻の原動力になっていて、そこに多くの人が引き寄せられている。これからもいろんな点がコンベイに集まり、輪になって動いていく様子が目に浮かぶ。

 

コンベイで開催された交流イベントの様子。江田島市内外からお客さんが訪れ、食事と音楽を楽しんだ。

人物ストーリー

良雄さん

  • 福岡県北九州市出身。
  • サラリーマン時代は全国転勤
  • 最後の配属先として広島へ
  • 退職後、体験民泊コンベイを開業
  • 2014年から江田島郷土料理研究会を発足。現在に至る。

一美さん

  • 大柿町出身。
  • 広島市内の会社員として長年従事。
  • 退職後、体験民泊コンベイを開業
  • 2014年から江田島郷土料理研究会を発足。現在に至る。

連絡先

体験民泊コンベイ
住所:江田島市沖美町是長1638‐21
Tel:090‐3377‐3993
Mail:yoshio737mikann@yahoo.co.jp

 

コンタクトの方法・注意点はこちらをクリック

※コンタクトを取る際は、「江田島人物図鑑を見て」と告げるとスムーズです。
※編集局を通じてのコンタクトも可能です。編集局までメールください。

00_back3

ETAJIMA JINBUTSU ZUKAN