“島の魚を島で消費できるようにしたい”

産業観光 種別移住

エリア別大柿

漁師

柴倉しばくら  孝之たかし

出身: 広島県広島市
活動拠点: 大原湾、江田島市周辺の海
趣味:音楽/アウトドア
好きな言葉:自然体
好きな食べ物:魚
江田島のここが好き:家の前の風景
今、気になる人:ブレンダン・エドワーズ吉井 さん

 

b11

  • 小型底引き網漁(エビ、タイ、ハモ、チヌ、タチウオ、ミズイカ 等)

b12

  • 自分で獲った魚を自分で加工・販売したい
  • 島の魚を島で消費できるようにしたい

b13

  • 電気工事、フォークリフト、ユンボ、高作業車等の仕事もお手伝いできます(資格保有)。

b14

  • 同世代の人

 

後藤記者の取材後記
(取材日:2016年9月27日(火))

 

ガッツのあるイケメン漁師

柴倉さんはご覧の通りイケメン漁師だ。「自然体」を好きな言葉にしているだけあって、イケメンなのにとても気さくで明るく、気持ちよく取材をさせてもらった。しかし、本当に感心したのは漁業の過酷さを聞いてからだ。このあたりの漁師さんたちは、一度漁に出たら2泊3日が基本コース。漁場まで移動して網を引きまくり市場に水揚げに行って帰ってくる。しかも、漁場に出て網を引き始めたら30時間一睡もせずにぶっ通しで漁をするという。2時間ほど潮の動きに合わせて網を引いては船上に揚げて魚を網からはずし、次の網を引きながら今度は網から外した魚を仕分けもする。まったく休む間もなくこの繰り返しだ。魚が獲れる日もあれば獲れない日もある。
漁業研修を経て念願の漁師デビューを果たした柴倉さんは、そんな話を淡々と、笑顔も見せながら話してくれた。芯の強い男前がここにいた。

 

普段は穏やかな柴倉さんも、操船中は真剣な漁師の目をしていた。
研修時にお世話になった師匠に遭遇。
水揚げされたばかりのエビ。なんと、おすそわけいただいてしまった(泣)。帰って塩ゆでとから揚げにして食べたが、お世辞ではなく美味しかった。

 

家族思いのおとーちゃん

漁業は決して楽な仕事ではないが、だからこそ柴倉さんは家族との時間も大切にしている。奥さんと1歳の息子さんと、海沿いの素敵な一軒家に住んでいる。「漁師は海のそばに住んで、海の状況やほかの漁師の動きを見て勉強することが大事」と柴倉さんの師匠が紹介してくれた家だ。この日も港に戻ってきたら奥さんと息子さんが堤防から手を振って迎えに来てくれていた。
島に住んで1年半が経ち、少しずつ生活にも慣れてきたという。移住当初は、ただでさえ慣れない島暮らしの中、柴倉さんは漁業研修、奥さんは育児にそれぞれ大変だったことだろう。だからこそ、今、家族と過ごす時間を一番大事にしている。ご自宅でインタビューをしながらご家族の微笑ましい光景を見て僕も幸せを分けてもらった。

 

港に戻ってきたら奥さんと息子さんが堤防にお迎えに来てくれていた。
息子さんとの2ショット。
漁船の名前は息子さんと師匠の名前から一文字ずつとって「虎吉丸(とらよしまる)」とした。

 

初心を忘れず焦らないこと

活動の信念を聞いたところ「初心を忘れず焦らないこと」と返ってきた。僕自身も身につまされた言葉だ。もともと江田島市に移住してきた目的は、「自然環境の豊かなところでのびのびと子育てをしたい」であった。移住前からキャンプなどアウトドアを趣味としていた柴倉夫妻は、江田島市に来て海の近くに住み、近所を散歩したりと、その意味では移住の目的を達成しつつある。しかしだんだん慣れてくると、好奇心旺盛な性格からか、いろんな用事も増えてくる。気づくと日々に余裕がなくなり、当初イメージしていた「のびのびとした暮らし」から離れていっていることもあるようだ。
この話は、4月から江田島市に移住した僕自身にとっても思い当たる節があった。今一度初心に帰り、心に余裕を持って家と仕事と遊びのバランスをとることが大事だと改めて感じた。

 

柴倉さんが気に入っている大原湾の風景。

 

人物ストーリー

  • 広島県広島市出身
  • 高校卒業後、家業でもあった電気工事の仕事に9年間従事
  • もともと漁業に興味もあり、海に関することは全般的に好きだったため、海の近くに住みたいという気持ちはあった。
  • 漁業の新規就業の支援制度がある地域を探す中、水揚げする市場が比較的近くにあり、ある程度漁業収入も見込める江田島市で研修を受けることに決め、同時に移住も決断した。
  • 2015年の春、まさに海の目の前にある家に移住。海の近くに住むことで先輩漁師の動きを学ぶことができると、師匠が紹介してくれた。
  • 1年間の厳しい研修を経て、2016年から念願の漁業デビュー。自前の漁船で小型底引き網漁を営んでいる。

 

連絡先

江田島人物図鑑 編集局
Emai:etajimajinbutsu@gmail.com

 

コンタクトの方法・注意点はこちらをクリック

※コンタクトを取る際は、「江田島人物図鑑を見て」と告げるとスムーズです。
※編集局を通じてのコンタクトも可能です。編集局までメールください。

00_back3

ETAJIMA JINBUTSU ZUKAN